実績豊富!東京5区エリアの不動産売買 信義房屋不動産(しんぎふさやふどうさん)

不動産レポート

国内外の投資マネー各地に拡散 地方主要都市の地価上昇に勢い

日本の土地神話は、実は生きている!? 

 

地価の水準が切り上がっている。天井感が漂う中で不動産価格もそろそろ下落に向かうかと思いきや意外に強い。賃料の緩やかな上昇を受けて不動産価格にもまだ上昇余地を残しているところもあると指摘されるような状態だ。国土交通省が9月下旬に発表した都道府県地価調査(基準地価)は、強含みの不動産マーケットを改めて印象付けている。基準地価の全国全用途の平均は2年連続で上がり、地方圏では1991年以来28年ぶりに上昇に転じた。札幌市・仙台市・広島市・福岡市の地方中核4市の商業地(10.3%上昇)は12年ぶりに2けたの上昇幅を見せた。日本の不動産市場の見通しを探ってみた。

 

 

 

 

全国で最も地価が高かったのは例年通り東京・銀座の「明治屋銀座ビル」だった。1㎡当たりの価格は4320万円(3.1%上昇)となり、1坪で1億4000万円を超える。東京の商業地は強含み傾向だ。大阪圏の最高地価も、心斎橋・なんば地区の「住友商事心斎橋ビル(旧クリサス心斎橋)」で1㎡当たり2440万円(45.2%上昇)となり、大阪圏の上昇率トップで全国でも3位となっている。

 

↑ 銀座明治屋ビルの写真

 

地価の上昇率で見ると、商業地のトップ10は沖縄が4地点と最多となった。次いで大阪の3地点、北海道、京都府、東京都のそれぞれ1地点が入った。住宅地の上昇率トップ10は沖縄県(6地点)と北海道(3地点)で9地点を占めており、店舗やホテル需要などインバウンド需要の強い地点が押し上げている。

 

↑ 大阪心斎橋・なんばエリア

 

主要都市では、ファンド勢の意欲が強く10億円以上の物件取引で底堅い需要があるとの声も少なくない。アンジェロゴードンやエリオットアドバイザーズ、ローンスターファンズ、フェニックス・プロパティ・インベスターズ、ブラックストーングループなど外資が存在感を出す。インバウンドの素地に加えて、低金利が外資の投資意欲を掻き立てている、との見方も少なくない。日銀による量的金融緩和にマイナス金利の導入。マイナス金利については、経済に対する副作用の懸念が学識経験者や経済界を取り巻いているものの、不動産業界にとって追い風になっているのは間違いない。とりわけ東京や大阪、名古屋、京都、札幌、福岡でのホテル・収益物件の土地取引が増えており、東京オリンピック・パラリンピック後に価格調整局面があったとしても長引かないとの見方が多い。

 

森記念財団都市戦略研究所が主要72都市を「日本の都市特性評価2019」としてまとめたところ、総合評価1位は京都市だった。基準地価(商業地)の上昇率トップ10を見ると、京都市は前年の5地点から1地点と減ったものの、森記念財団では依然として都市の評価は高く、特に文化・交流の力と研究・開発で力を持っている都市だとの評価結果をまとめている。2位は福岡市でアジアのリーダー都市を目指す成長性で評価され、3位が大阪市となった。上位10市には以下、横浜市、名古屋市、神戸市、仙台市、札幌市、金沢市、松本市がランクインしている。

 

日本の不動産は立地選別で長期の資産形成を

 

こうした商業地への投資マネーは住宅地にも波及する。東京23区では4.6%(前年4.3%)上昇し、23区すべてが前の年よりも上がった。都心部では、これまでのような上昇の勢いを欠くとは言え、千代田・中央・港・新宿・渋谷の都心5区の新築マンションの坪単価の平均は500万円に達している。分譲マンション市場を見ると、首都圏の平均坪単価は300万円を超えている。特に東京五輪開催決定のあとから住宅・不動産各社が投資視点により供給地域を選別してきたためでもあろう。

 

再開発プロジェクトが相次いだエリアも強い。投資家目線で資産性と利便性を兼ね備えた物件がマンション価格の引き上げの立役者となってきた。実際、東京湾岸エリアなどの購入者の属性を見ると、投資家目線の購入が増えており、マンション供給の方向感としては都心部に収斂される傾向が強まっている。また、東京23区を見ると、城北・城東エリアの上昇幅のほうが大きい。荒川区や豊島区、台東区、江東区などが存在感を見せている。郊外エリアは今後、価格下落局面に見舞われるとの見方も存在する。

 

2008年のリーマン・ショック以降の10年間を見ると、マンションの資産価値は上がってきた。東京カンテイが築10年の中古マンションのリセールバリュー(資産価値)を駅ごとに調べたところ、2018年時点でリセールバリューが最も高かった駅はJR山手線の原宿駅となり、新築販売時に比べて7割以上も値上がりしていることがわかった。特に都心部がこの10年で上がった。麻布・赤坂・青山の3Aエリアと呼ばれるマンションは、東京オリンピック開催決定後に資産価値が高まりやすい局面での恩恵をたぶんに受けている。

 

中古マンションの売れ行きは、新築販売数よりも多くなった。一般的な消費者が新築価格に手が届かなくなったことに加え、優良な住宅ストックの増加により消費者の選択肢が増えていることも後押しする。東京オリンピック後の調整局面も大きくないとの見方が広がるとともに、都心回帰のトレンドは一層強くなっている。

 

もっと言えばバブル経済期とリーマン・ショック期などを除くと日本は戦後から地価は右肩上がりとなっており、すでに東京・銀座など日本の一等地の地価はバブル経済期を上回っていることで、場所によるが実は〝土地神話は生きている〟との指摘も増えている。

 

1990年バブル経済の崩壊とともに地価はつるべ落とし。不動産価格も軒並み下落し、土地さえ持っていれば将来安泰という日本の『土地神話』は崩壊したとされるものの、「首都圏のマンション価格は底打ち以降で2005年と2010年にそれぞれ前年比で下落した以外は上昇が続いている」と東京カンテイは指摘している。戦後から現在までを大局的に見ると、リーマン・ショックや東日本大震災などの影響があったものの、それらを除くと右肩上がりとなっている。近畿圏においても2001年にマンション価格は137.7万円で底打ちし、2011年と2012年に2年連続で下落しただけであとは2009年の横ばいを含めて落ち込んだことはない。中部圏も含めて都市中心部において顕著な傾向となっている。

 

止まらない下落地域は地元経済の低迷が要因

 

もっとも、下落幅が拡大しているエリアは全国に多く存在する。基準地価ワースト10を見ると、住宅地は北海道が7地点(3~8位・10位)ランクインしている。最も下落率が大きかったのが岡山県倉敷市真備町(16.1%下落)で価格は1㎡当たり2万8600円だった。2位が広島県三原市本郷町(15.8%下落)で同1万6000円だった。

 

岡山や広島は、昨年7月の集中豪雨の被害により住宅需要が大きく減退し、北海道は札幌市や倶知安などのインバウンド需要を除くと、地元経済の低迷に伴う人口減少が地価下落に拍車をかけている。兵庫県穴栗市千種町(9位=7.6%下落)も過疎化に伴う店じまいなど地域衰退が要因となっており、人々が集まる機能を持つ街作りが大底を打つのに欠かせない要素となっている。

 

商業地も同様の状況にある。ワースト1位と2位は岡山県倉敷市真備町(15.5%下落)と広島県三原市(12.0%下落)だった。北海道も下位10位に6地点がランクインした。豪雨被害や地域経済の低迷が地価の押し下げ圧力となっている。

 

バブル経済期のように全国津々浦々と森や林、原野の地価までが上昇するようなことはなくなったものの、日本の不動産は、東京や大阪、名古屋の三大都市圏に加えて地方中核都市など立地さえ間違わなければ長期保有に向いた性質を持つ投資商品として考えられるかもしれない。土地神話が期待できる立地の選別が資産形成に影響する。