実績豊富!東京5区エリアの不動産売買 信義房屋不動産(しんぎふさやふどうさん)

不動産レポート

あらゆる領域に警戒感も、まだ強気

低キャプレートでも不動産取引が衰えず

世界的な金融緩和政策の機運が下支えに 

 

地価が上がり過ぎて不動産価格が高止まり、特に都心の商業用不動産が顕著で価格がつり上がっている。東京・青山の築13年10階建て中規模オフィスビルの区分価格は9億円半ばでNOI利回りは2%台前半である。利回り目線を重視する不動産投資家は舌を巻く。年間の賃料収入÷不動産価格で算出し、管理費や税金といった諸経費を考慮しない数値が表面利回りであり、これに対して空室による損失を考慮した年間賃料収入に諸経費を引いて算出したのがNOI(純収益)利回りとなる。今回の不動産好景気は、2%台というこの高騰感の中でも取引が依然として活発なことが特徴だ。史上最低水準の金利が下支えしている。賃貸・分譲住宅マーケットも同様である。

 

都心5区中心に需給に依然ひっ迫感 国内不動産取引は6年間4兆円ペース

 

2012年のアベノミクス以降に円安に転じたこともあって、それまで対日投資をためらっていた海外マネーも流れ込み、2018年までの6年間の国内の不動産取引額は毎年4兆円を挟んで推移し、このうち海外投資家が35%前後の割合を占めている。

 

直近の対日不動産投資の額は、不動産サービス大手のJLLによると、2019年4~6月期は1年前の同じ時期との比較で3割増の1兆350億円となり、上半期で前年同期比横ばいの2兆2430億円となっている。米国の不動産投資家がアジア太平洋地域に着目している。

 

世界の都市別投資額ランキングでは、東京が1~3月期のトップから2位に後退したものの依然として上位に付けている。地域別では、東京都心5区の投資割合が45%を占めており、今年上半期中に大型のオフィスビルは500億円を超えると推定される取引があった。大阪圏の投資額割合も19%と前年同期の5%から大幅に増加している。

 

2019年の通年見通しについて、JLLでは、英国のEU離脱や米中貿易戦争など政治リスクによる不安定さを受けて世界的な不動産投資額は5~10%減少すると分析する。一方で、日本への投資額は前年と同程度の4兆2000億円になりそうだと予測し、不動産価格の高水準を受けて需給のひっ迫が続くとしている。

 

別の調査会社であるCBREの昨年調査では、海外投資家にとってアジアに熱視線を送っており、その中でも「もっとも魅力的な都市」が東京という結果になっている。2%のインフレ目標が達成できない日本政府とって、政策金利が低いことで金利に対する不動産利回りが他の主要国に比べてスプレッド幅が取れると評価されている皮肉な結果となっている。

 

カネ余りは相変わらずで投資家は資金の振り向け先が世界的な悩みであり、対日投資では東京と大阪にとどまらずに地方都市に熱い視線が向けられている。名古屋や福岡、札幌、広島の地方中核都市に流れ込むほか、北海道ニセコ、沖縄の観光地も注目の的である。

 

国土交通省の地価LOOKレポートを見ると、2019年度第2四半期の全国100地区の調査地点において97地区で地価が上昇していることから、毎年9月下旬に国土交通省から発表される都道府県地価調査(基準地価)も地方を含めて全国的な地価上昇が確認できそうだ。

 

 

住宅領域は分譲・賃貸とも価格高騰 新築分譲販売いま一つも中古が活況

 

オフィスビル市場だけでなく、賃貸住宅マーケットも価格が高騰しており、新規供給のワンルームマンションでは都心回帰が鮮明である。不動産調査会社の東京カンテイによると、2012年の直近ピークから右肩下がりで減らしてきたが、2018年は首都圏で1万1917戸が新規供給され、前年比で1割強増加している。平均の販売価格は3000万円弱で1坪当たりの単価はほぼ400万円の水準に達する。2019年も1万戸前後の供給になりそうだとしている。生涯未婚もめずらしくなくなった中で、女性が老後の年金補完としてワンルームやコンパクトなマンションを購入する例は少なくない。新築価格が高いため築古を購入した女性の1人は、築30年ほどのワンルームマンションを購入して2年ちょっとで売却したところ3割増しのキャピタルゲインを得たという。

 

また別の投資家は、約300万円でボロの戸建て住宅を購入してリフォームし、外国人向けの賃貸物件として運用したあとに2倍近い価格で売り抜けた。一般に最低5年間は保有する。短期売買は税金が多く取られるためだ。

 

新築分譲マンション市場は、東京23区のファミリー向け新築マンションが6000万~7000万円台となり、70㎡に届かない50~60㎡の住戸でも4000万円台後半から5000万円台前半で販売されている。東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)の1坪当たりの単価が500万円台に達する。中古マンションであっても都区部で築10年の物件は4000万円台後半~5000万円台で売り出されている。

 

売り時と考える人は多い。不動産関連の比較査定サイトを運営するリビン・テクノロジーズは、同社が運営する「不動産売却一括査定サイトの利用」について調べたところ、6割近くが不動産売却を検討し始めてから半年以内に売却査定サイトを利用していることがわかったとしている。その「不動産の売却を検討し始めた時期」は、「1か月以内」( 21.7%)、「半年以内」(21.1%)、「1年以内」(17.0%)、「3か月以内」(14.4%)、「3年以内」(10.8%)と57.2%が半年以内に査定依頼をしているという。

 

そして実際に売り出すときに重要なのが築年数と最寄り駅からの距離、つまり時間だ。築浅で駅から近いほど中古流通マーケットに乗りやすい。その〝駅近の定義〟ついてリビン・テクノロジーでは、首都圏在住者を対象に実施したアンケートから8.2分とはじいた。アンケートによると、駅近と判断するのは「10分」(31.1%)と「5分」(25.0%)の2つで5割を超えた。「住むなら駅から徒歩何分までが許容範囲なのか?」では平均10.2分となった。

 

循環的な景気変動、調整局面に備え 投資家は都市単位で可能性を探る

 

ただし、不動産の買い方は不変である。収益性と流通性は最も重要な要素である。収益性は高い賃料を得られて潤沢なキャッシュフローを得ることができるか、流通性では将来の貸し倒れリスクを判断し、適正価格で速やかに売却・換金できるかである。大金を叩いて購入したのに「このマンションは買い損だった」などという事態に陥らないためには物件選びの際の収集が欠かせない。投資家目線から言うと、優良な物件を割安で買い利回りをいかにして最大限に高めるかということだが、現状のマーケットで割安感を追求するのは厳しい。このため不動産の資産価値の維持目線で動く。

 

また、不動産マーケットを一括りに断じることの難しさもある。1990年代のバブル経済が崩壊するまでは現物売買が中心だった市場で土地神話も手伝い一括りに市況を語りやすかった。しかし、不動産の証券化が進みJリート市場が創設されたのを機にエクイティとデッドの双方から資金調達がしやすくなって投資の裾野を拡大。投資対象もバラエティーに富んでいる。オフィスビル、住宅、商業施設、インフラ施設、物流施設など。資金の投入先も日本やアメリカ、イギリス、ドイツといった国単位ではなく、東京、ニューヨーク、ロンドン、フランクフルトといった個々の各国年単位で資金を投じるようになった。

 

いずれにしろ今後の大きな注意点としては、循環的な景気変動というものから目が離せなくなることだ。不動産業界は、過去の例からも大なり小なり景気変動を受けてきたようにこれは避けて通れない。調整局面を想定した資金投下が求められている。