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不動産レポート

不動産投資信託【Jリート】 中小規模の上場銘柄に投資妙味

実物不動産の価格上昇が顕著になって投資家が物件を買いづらくなる中で、間接的に不動産に投資するJリートに着目する投資家が増えている。Jリートとは、マンションやオフィスビル、商業施設、物流施設、高齢者向け住宅を投資対象とするヘルスケア施設などを購入・運用して、その賃料や物件売却益を原資に分配金を支払う証券商品だ。一般の株式と同様に投資口価格(株価)が上昇したときに売却すると売却益が得られる。三井不動産や三菱地所といった大手不動産会社や三菱商事や三井物産、伊藤忠商事などの大手商社、外資ファンドなどがスポンサーとなって、現在、52投資法人が上場している。

 

●実物不動産マーケットは好調
金融政策も変わらず低金利続く

Jリートの値動きを示す東証REIT指数を見ると、6月中は1800ポイント台を維持していたが7月8日の終値は1696.91ポイントと8カ月ぶりに1700ポイントを割り込んだ。10年国債利回りが0.5%台に上昇したことで分配金利回りとの利回り差(スプレッド)が縮んだことが要因だ。Jリートに対しては利回りで評価する投資家が多い。基本的にリートは借入金で不動産を購入しているので金利負担が増すと、利回りスプレッドが縮み投資のうまみが減るからだ。

 

年明け以降の分配金利回りは、投資家が求める3%を切る水準の銘柄が増えていたが、7月にJリートマーケットが落ち込んだことで割高感が解消され、再びJリートが注目されている。積極投資する計画だった地方銀行を中心とした機関投資家は、今年前半のマーケットに割高感が強かったため購入できなかったことで、今が投資の好機と考えている。みずほ証券の石澤卓志・上級研究員は、「8月中旬以降から地銀が積極的にJリートへの投資を加速するだろう」と話す。今後について、三井不動産系の日本ビルファンド投資法人や三菱地所系のジャパンリアルエステイト投資法人といった上場大手企業がスポンサーの銘柄に限らず中・下位銘柄から有望な銘柄が登場すると予測する。

 

リートの収益源となる実物不動産マーケットの状況がおおむね好調なほか、投資家のリート需要も強い。金利は6月に上昇傾向だったとはいえ、金融政策の目標であるCPI(消費者物価指数)2%の目標はハードルが高いため、現状の金融政策を変えることもできない。このため向こう1年で金利が1%に達する見方は少なく、そうした環境を背景にリート市場は底堅く成長しそうだ。

 

●日銀のリート買い入れ枠現状維持
買い入れ基準の緩和の可能性は低い

日銀は昨年10月末の追加金融緩和でJリートの買い入れ枠を3倍の900億円に引き上げた。ただ、日銀がJリートを購入する要件は格付けAA-(ダブルAマイナス)以上となっている。日銀の来訪を受けてJリート市場について意見交換した米証券大手によると、日銀の買い入れ対象銘柄の適格要件であるAA-の緩和の可能性は少ないという。買い入れ基準は、投資法人債(社債に相当)の適格担保基準を援用しているため、仮に要件を変更するとそれらの政策にも影響を及ぼすので、日銀の買い入れ政策の枠組みは現状維持のまま推移する可能性が高いからだという。

 

これまで日銀は時価総額に応じて購入していたらしく、上位銘柄の保有比率が4%を超えている銘柄が複数あると見られている。日銀の保有比率5%ルールで考えると上位銘柄をこれ以上買い進むことは難しく、今後は中堅以下に注目せざるを得ず、これをきっかけに上位銘柄以外が見直されるきっかけになるとの見方が少なくない。

 

一般論から言えば、AA-よりも低い格付けであるシングルAフラット以上でも問題はない。保守的な運用をしているので、これらも財務的な問題はそう抱えていない。こうした点を踏まえて、倒産リスクがないのならば配当利回りの高い(株価は安い)銘柄を買う傾向にある。実際、投資信託会社でそうした傾向が強く、配当利回り2.5%を下回る銘柄を売却し、利回りの高い銘柄に投資する方向性が出ている。

 

●日本賃貸住宅は賃料予想システムで高稼働
ホテルや外資系リートのスポンサー評価も上昇

前出の石澤卓志氏は、将来的に化ける銘柄が出てくる可能性を指摘する。無格付けのインヴィンシブル投資法人はその一つだ。過去には決算短信に事業継続に疑義が付されたこともある。米ヘッジファンドのフォートレスがメーンスポンサーのリートだ。高い金利で借り入れをして質の悪い物件をフォートレスが押し付けるリートだと見られていた。しかし、2年ほど前にフォートレスの経営陣が交代してから急速に市場の評価を上げている。総合型リートからホテル投資を重視するリートへと変貌を遂げた。東京オリンピック効果も期待でき、この新方針を投資家も好感。フォートレスは現在、積極的にホテルを購入しているが、インヴィンシブルに渡すために買っている。新しい経営陣は財務改革から着手し、高金利の借り入れは早々に返済して金利コストも低下した。現状では割高感があるものの引き続きチェック銘柄に位置づけられる。

 

日本賃貸住宅投資法人も注目だ。メーンスポンサーは米ファンドのオークツリーグループ。スポンサーになった当初は、他社に短期で転売する投資方針だったようだが中期的に資産価値を上げる運用方針に変えて中長期のスポンサーに化けた。ここも転機は約2年前に優れた手腕を持つ経営陣に変わったことだ。足元では独自の賃料予想システムがうまく稼動していることで、日本賃貸住宅は、住宅系リートの中で運用マンションの稼働率が群を抜いている。今春には大和証券グループ本社が第2位のスポンサーとなった。大和証券グループは、向こう2年以内にオークツリーから譲り受けメーンスポンサーになると考えられている。

 

メーンスポンサーの交代によってMIDリート投資法人は「MCUBS MidCity投資法人」に名称を変えた。関西電力系のMID都市開発から三菱商事UBSリアルティがメーンスポンサーになっている。三菱商事UBSリアルティは日本リテールファンドと産業ファンドの2つのリートの運用会社でもある。これまで大阪中心の投資だったが、今後は、東京投資に大きくシフトして評価を上げそうだ。

 

ジャパンホテルト投資法人は、東日本大震災以降にホテルの稼働率が落ち込んだものの回復が早く、円安に伴い外国人観光客が急増して稼働率が急上昇した。東京オリンピック効果も期待できてホテルに対する評価はうなぎ上り。現状、ジャパン・ホテル・リートの格付けは低いが、ホテル業界の評価がぐんぐん上昇しているので化ける可能性がある。星野リゾト投資法人は、ファンド規模が小ぶり過ぎて機関投資家は投資しづらい銘柄だが、ホテル特化はジャパン・ホテル・リートと2投資法人だけなので今後に注目だ。

 

平和不動産リト投資法人は、以前、クレッシェンド投資法人という名称でカナル投信がスポンサーだったが、伝統的な不動産会社がスポンサーに変わったことで、平和不動産の信用度が反映され、向こう数年間で評価が高くなりそう。いちご不動産投資法人のスポンサーで外資ファンドのいちごグループに対する評価もずいぶん変わった。スコット・キャロン会長がマスコミ露出して業界の顔役になったほか、重量上げの三宅選手など世界クラスのアスリートを社員に迎えるなどで会社の評価を上げている。ファンド規模がまだ小さく格付けも低いが運用内容の良さが見直されており、今後の評価高まりを期待できる。

 

日本リト投資法人は双日がスポンサー。双日はJリート組成の際に手持ちの不動産をリートに組み入れたことで、上場後のスポンサーからの支援が弱いのではないかと低い評価を受けたが、ブリッジファンドやSPCを使う運用に長け、物件仕入れに向けた増資も積極的に行い日本リートに対する評価を上げている。こちらもファンド規模が小さくが伸びしろが大きいと見られている。

 

ヘルスケアの2つの投資法人は、資産規模小さいが法人の購入意欲が強いようだ。地方銀行などは高齢者向け住宅の評価に詳しく、社会的意義もこれが銀行としては決め手になっている。不動産マーケットには、直接投資とは別に間接的にさまざまなプロパティに投資できるインフラが整備されている。