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不動産レポート

関西マーケットの潜在力を追う 大阪・梅田が関西経済圏の原動力に

関西マーケットの潜在力を追う
大阪・梅田が関西経済圏の原動力に
「ビジネス集積地としての効果発揮に期待」


日本は訪日外国人客(インバウンド)で賑わいを見せている。東京だけでなく北海道から九州・沖縄まで主要な観光スポットを抱えているエリアを中心に人が集まっている。そうした中で、関西圏は世界的な観光地が点在していることで注目度が高い。外国人の不動産投資ニーズも東京にとどまらず大阪を中心に関西圏にまで広がりを見せている。今回は、大阪圏の街としての潜在的な成長がどの程度あるのか概観してみた。


■インバウンド効果で街は活況  地価・賃料の上昇幅じわり拡大


2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を控えて、東京に限らずオリンピックをうまく活用すれば関西圏も十分な恩恵を受けそうだ。外国人から見ると、東京と大阪・京都の距離はたいしたものではない。オリンピック見学のついでに観光地としての京都に、大阪に、それぞれに足を運ぶことは十分に見込めることから関西圏の観光需要は伸びていくと見られる。そもそも京都と大阪はすでに独自の観光需要だけでずいぶんと目立っているのが現状である。そうした中、国土交通省が今春に発表した公示地価(1月1日時点)を見ると、大阪府の商業地が3年連続で上昇している。地価上昇率1位は大阪市中央区心斎橋筋2丁目で前年比45.1%上昇した。外国人が多く集まり店舗需要が増しているインバウンド効果を反映した格好だ。

 


こうした状況は別の価格指数でも確認できる。一般財団法人日本不動産研究所の「市街地価格指数」によると、大阪府では2014年3月の調査で6年ぶりに価格指数が上昇した後も上昇率の拡大傾向が続いている。


日本不動産研究所が4月20日に公表した最新のオフィス賃料予測では、大阪のオフィス地区は2018年まで新規の供給が少ないため、賃料は4%前後の上昇を予想し、2019年の大量供給で賃料の上昇は一息つくという。2019年は新規供給が若干多いことで空室率が横ばいで賃料2%弱の上昇を予測する。2020年も1~2%程度の賃料上げを見込んでいる。


2013年に竣工した『グランフロント大阪』の賃料は成約ベースで2万~2万5000円ほどと見られており、同ビルが所在する北区は空室率が徐々に低下している。ただ、淀屋橋や本町などの中央区や西区(肥後橋・四ツ橋など)といったエリアでは新築のオフィスビルへのテナント移動に伴い、まとまった面積の二次空室が発生して賃料も低下傾向にある。オフィスビルの選別が顕著になっている。大阪ビジネス地区の新規供給量は2016年がゼロだが、その後2019年までの向こう3年間に5.5万坪、3万坪、7.5万坪ずつの供給が予定されている。


■東京同様の一極集中に期待  業務の核分散化を改め成長へ


さまざまな調査を踏まえた結果、関西圏の将来性についてはエリア格差が拡大しそうだ。大阪駅前の整備がこれから進むことで中長期的に大阪駅前にビジネスエリアが集中する。

 


これまでの問題点として関西経済圏は、大阪市と神戸市、京都市の3つに業務の核が分散していて業務の集積効果が出ていなかったことを指摘する声が少なくなかった。しかし、京都での街の活性化が鈍るとともに大阪一極集中が強くなった。実際、分譲マンション供給は、大阪市中心部や交通利便性の高いところに集中しているほか、都市中心部とつながりがあるエリアの売れ行きが好調に推移している。


大阪は梅田と難波の2つに業務の核が分散していたが、街の開発状況などを見ていると梅田への一極集中がはっきりしてきた。大阪は東京に比べてビジネス市場のボリュームが小さい。その限られたボリュームの中にあって梅田と難波の2つの核が存在し、関西経済圏(大阪・神戸・京都)として3つの都市が競ってきた。みずほ証券・市場情報戦略部の石澤卓志・上級研究員は、「東京圏と同様の一極集中が関西経済圏で形成されれば、関西経済圏も集積効果を発揮するようになる」と梅田の一極集中が関西経済圏の原動力になると指摘している。これは、「神戸株式会社」と比喩されるほどに関西経済圏をけん引してきた神戸が阪神・淡路大震災以降から街の活力に陰りが出て結果的に梅田の一極集中という構図をくっきり浮かび上がらせた面は否めない。


ただ余談として、梅田に一極集中するという考え方は関西経済圏の経済人を中心にあまり好まれていないようだ。大阪では比較的に歴史を持つ企業が南部エリアに集まっていて梅田はどちらかというと新参者のイメージが強いエリアとの評を散見する。老舗企業は梅田の発展にジレンマを抱えていることを補足しておきたい。


一方、京都府を見ると、今回の公示地価は府全体で前年より上昇して8年ぶりのプラスに転じた。商業地は3・2%上がり3年連続のプラスとなったのは外国人観光客などの需要が押し上げた結果だ。特に京都市エリアは5・0%上昇し、中京区など中心5区が6・3%伸びている。世界屈指の観光スポットという強みが国内外の観光客を呼び込んでいる。


しかし、京都は街の開発事業において苦労する土地柄でもある。新規のオフィスビルを開発・供給するのは難しく、仮に新規供給したとしてもテナント付けに苦労するとの見立てが少なくない。歴史的な遺産が多く街全体が歴史を重視する方向に傾いているため、京都に新しい業務集積という発想がないからだ。住宅市場としても京都の居住性などは必ずしも評価が一致していない部分がある。例えば、観光都市として訪れるにはいいが、終の棲家としての居住環境という点からすると、さまざまな制限・制約やシガラミみたいなものを受けて住みやすい街として評価できないとの声も少なくないからだ。


古い資産を大切に使う。そうした方向性は間違いではないものの、オフィスと住まい、商業施設といったエンターテイメント性の三拍子が近くにそろっている東京や大阪のような経済都市としての発展よりも、観光に依存しながら独自の経済成長を模索することなりそうだ。