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不動産レポート

2016年基準地価:投資マネー流入で都心部にピーク感「商業地は銀座、住宅地は千代田区番町がバブル的」

国土交通省が9月下旬に発表した2016年7月1日時点の基準地価は、全国の商業地が前年比0.005%とわずかにプラスとなったことで9年ぶりの上昇となった。訪日観光客の増加によるインバウンド需要が商業店舗や、ホテル向けの地価が上昇をけん引している。全国の調査地点数は2万1675地点で、東京圏では、商業地が調査地点の75%ほどが上昇し、2.7%のプラスとなり、4年続けて上昇した。マイナス金利などを背景に東京に限らず、地方中核都市に投資マネーが流入。札幌や仙台、広島、福岡の4市の商業地の上昇率が6.7%と三大都市圏(東京・大阪・名古屋)の2.9%を大きく上回った。都心部の地価高騰はピーク感が漂い始めている。

 

東京は住宅価格が調整突入 不動産大手、ビル賃料で強気続く

 

東京23区の商業地は、昨年の上昇率4.0%を上回り、4.9%上昇した。東京圏内の上昇率を見ると、上位5地点はすべて銀座地区が占めており、上昇率1位(27.1%)の銀座6丁目は2250万円となっている。上昇率2位(25%)の銀座2丁目は、1㎡当たり3300万円で、全国で最も高い基準価格となった。銀座地区は、外国人観光客の増加に伴う消費動向が旺盛で、ブランド店など免税店の新規開設が相次ぐほか、再開発事業が後押しした。銀座を抱える中央区全体でも10.4%上昇と23区で最も高い伸び率となった。

 

同様に東京圏の住宅地を見ると、0.5%と3年連続して小幅な上昇となった。上昇率トップ5のうち上位3位が千代田区(六番町・三番町・二番町)、4位に目黒区自由が丘2丁目が付け、5位に千葉県木更津市となった。千代田区番町がトップ3を占めて強さが際立ち、1位の千代田区六番町6丁目は11.3%上昇で1㎡当たり363万円だった。千代田区三番町9丁目は265万円(11.3%上昇)で小数点第2以下の微差により2位に甘んじた格好でほぼ同じ上昇率を示した。全国的に雇用環境が改善に向かい、住宅ローン減税などの施策による住宅需要の下支えが総じて住宅地価が底堅く推移している。

 

都心部へのマネー流入が際立つ。商業地は、2020年東京オリンピックと訪日外国人の増加により不足しているホテル客室数の確保に向けた開発が相次ぎ、オフィスビルの空室率もおおむね低下トレンドにある。国土交通省は、一部地域ではテナント賃料の改善が見られ、総じて商業地としての収益性の高まりが見られるという。

 

一方で都心部にはピーク感が漂っており、「商業用不動産の売買には過熱感がある」との指摘も少なくなく、港区六本木や品川区大崎のエリアでは1坪当たりのオフィスビルの賃料が4万円に達する例もあるようだ。「価格・賃料ともに天井を打った。エリアによって警戒感が強まっているが、来年春に国交省が発表する公示地価までの向こう4カ月で調整局面を強まりそうになさそう。オフィス賃料で不動産大手にまだ強気の節が見られる。ただ、今後半年から1年先で見ると調整局面を実感する事態に突入することもありそうだ」(国内証券)との見方も出ている。

 

住宅マーケットにはそうした兆しがすでにある。商業用不動産よりひと足にピークを迎え、東京23区の中古マンション価格が調整局面を迎えている。東京カンテイが公表した8月のデータを見ると、価格は前月比横ばいの5279万円。東京都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)は7203万円で7月に比べて0.3%と上昇率がわずかにとどまっている。

 

心斎橋・なんば、大阪は需要旺盛 中古マンション市場は価格上昇局面

 

大阪圏の商業地は、大阪市で8.0%上昇し、昨年の6.1%の上昇率を大幅に上回った。東京同様に市中心部では、外国人観光客の増加が店舗・ホテルの需要を押し上げているのが要因だ。とりわけ心斎橋、なんば、日本橋エリアでの店舗・ホテル需要が旺盛である。足元で新規供給がほぼないことで、オフィス空室率も低下している。投資需要も堅調だ。高層マンション建設用地の需要などマンション素地としての影響も反映した。

 

最高価格は、2013年に大阪駅前にオープンした大型商業ビル「グランフロント大阪」で1㎡当たり1320万円だった。3年連続で大阪府トップとなった。圏内上昇率トップは、心斎橋地区で大阪市中央区南船場3丁目の28.9%で、1㎡当たりの価格が535万円だった。

 

京都市の商業地は6.5%上昇し、前年から3.8%の上昇幅を見せた。11区すべてが上昇した。国内外からの観光客の増加に伴う宿泊・消費需要が支えた。ホテルは満室稼働に近いほか、下京区の四条通りの歩道拡幅事業が完了したことにより中心商業地の繁華性が向上したことも反映している。

 

住宅地は、戸建住宅よりもマンションの人気が高く、市内中心部への交通利便性に優れたエリアを中心にした需要が地価上昇をけん引している。大阪市と神戸市は0.5%、京都市は0.6%と堅調に上昇を続けており、大阪市福島区は3.9%、同浪速区3.7%、同北区4.3%と大幅上昇した。分譲にとどまらず、投資用マンション(賃貸)としての需要も上昇幅を引き上げた。兵庫・灘区も3.3%と大きく上昇しているが、マンション・戸建て需要に加えて東海道本線摩耶駅の開業に伴う住宅需要もあって上昇を続けた。

 

東京とは対照的に大阪の中古マンション価格に調整局面入りの兆しは見られない。東京カンテイの8月の価格調査を見ると、大阪市中心6区(福島・西・天王寺・浪速・北・中央)で直近3カ月の1年前との比較で毎月19%程度の上昇幅を見せている。大阪市は2888万円(同0.9%上昇)で連続プラスを20カ月まで伸ばしている。1年前との比較で大阪市は、6~8月の3カ月すべてで21%以上の上昇率を維持している。中古マンション価格は西高東低のトレンドを見せている。