実績豊富!東京5区エリアの不動産売買 信義房屋不動産(しんぎふさやふどうさん)

不動産レポート

西日本に投資マネー降り注ぐ

大阪・福岡のマンション需要旺盛

 東京に比べて割安も、機運は価格上昇に転じる 

 

不動産取引の市場規模と流動性、低金利を受けて東京に資金が集まってきたが、足もとでは東京にとどまらず、西日本への資金流入が加速している。都内の不動産価格の高騰を嫌って、特に大阪と福岡において潤沢な投資マネーが顕在化しており、その原動力として、大阪の場合は、梅田や阿倍野、難波の主要駅周辺の再開発によるところが大きく、福岡では、九州大学の跡地開発や福岡市が主導する「天神ビッグバン」による街の再更新プロジェクトが投資マネーを引き付ける。これに伴い分譲マンションが急速に普及・拡大している。海外の個人投資家にとっては、日本でのマンション購入機会が増えている。

 

 

東京に取って代わる存在感 大阪マンション普及率が急拡大

 

近畿圏を見ると、昨年のマンション供給戸数は増加傾向にある。不動産経済研究所によると、2018年の発売戸数は2万958戸と前年比7.1%増えている。2019年の発売戸数では前年比4.6%減とするものの2万戸の大台は維持する見通しでストック数は積み上がる。

 

不動産調査会社の東京カンテイで見ても、大阪府での2018年新築分譲マンション戸数は、1万4064戸と前年比で7.0%増加している。総世帯数に占める分譲マンション戸数の割合、つまり、そのエリアでのマンション普及率については、大阪市で28.04%、福岡市で29.69%となって東京23区の31.57%を追随する。豊富なマンションストックを印象付ける。

 

これを行政区別で見ていくと、東京都千代田区のマンション化率が85.10%と最も高いが、大阪市中央区でも72.43%となり、東京の中央区(79.56%)と港区(75.21%)に続く4位に付けている。東京と大阪の中心部では、住まいのほとんどがマンションという驚異的な数字を叩き出しており、再開発によるタワーマンションにとどまらず、大阪市では、投資家向けのコンパクトマンションやワンルームの普及がマンション全体のシェアを引き上げている。

 

例えば、東京で3000万円台の新築ワンルームは、大阪市で2000万円台と割安感が残っている。販売価格に占める土地代が6~7割に上る東京に対して、大阪は4割ほどでその分減価償却部分が増えることに着目する個人投資家が増えている。

 

ちなみに同社の調査によると、近畿圏のワンルームは、1000万円台の割合が2015年の10.6%から拡大しており、足もとで2.3倍の23.9%となっている。このため、2000万円台は2015年の16.8%から11.9%にシェアが縮小している。

 

言ってみれば高騰感の著しい東京に取って代わって、投資の好機は大阪に多く存在すると見立てが増えている。その勢いは、大阪万博開催決定を契機に東京を猛追する。大阪でのストック戸数の増加分は、この5年間で最も多い1万6668戸に達している。

 

その大阪の人気エリアは、年収の高い層が多い住吉区であり、阿倍野区に近い帝塚山は高級住宅街として知られ、市場ではマンションの資産価値も維持されやすいと見られている。天王寺区は、学校が多く文教エリアとして学生が集まり賃貸需要がおう盛である。

 

不動産投資家を引き付ける要素として相次ぐ開発事業に加えて、2023年に開業予定の北梅田駅から関西空港まで直通でつながり利便性の向上で訪日客のさらなる増加も見込まれている。

 

天神と九大跡地開発が起爆剤に 分譲マンション供給で億ションも

 

一方、福岡市では、「天神ビッグバン」を進めており、2024年までの10年間で30棟の民間ビルの建て替えを進めている。建設投資効果は2900億円、年間の経済波及効果は8500億円と試算している。アジア拠点としての役割と機能を高めることで国内外からの投資マネーを呼び込む。国家戦略特区による規制緩和により天神周辺は開発ラッシュである。

 

福岡市中心部や、地下鉄延伸計画のある博多駅周辺での再開発が注目を浴びて訪日客のインバウンド需要が店舗やホテルなどの賃料・稼働率を支えている。不動産ファンドの資金が市況を押し上げていると実感の声を上げる地元の不動産事業者は多い。

 

こうした中でマンション市場も活気付いている。西日本不動産流通機構(西日本レインズ)の直近12月のデータを見ると、福岡県の中古マンションの成約件数は330件と前年比4.7%と大きく上回って8カ月連続の増加となっている。

 

福岡県宅地建物取引業協会では、人口増加を追い風に福岡市中心部の需要増に加え、東区千早等のJR・西鉄沿線にも需要が波及して地価を押し上げているといい、東京カンテイの特別区・政令市で見たマンション化率では、福岡市で29.69%とほぼ3割を占めている。同社の調査によると、新築マンション価格は3300万円台が平均的な水準であり、1坪当たりの価格は200万円に届かない水準で東京に比べて割安感が大きい。

 

ただ、ここにきて福岡の価格は上昇機運を強めている。九州大学箱崎キャンパス跡地利用がその要因である。この九大跡地開発によって街が発展していくとの期待感が市場価格を引き上げている。新築だけでなく、西日本レインズの12月直近のデータによると中古マンション価格も1846万円と前年比7.2%と大幅に上昇している。

 

JR九州が六本松に開発した分譲マンションは総戸数351戸。それまでの地元の常識では考えづらい高価格帯を打ち出したものの売り切ったことで、その後に開発・竣工したマンションの値付けが上昇に転じた。天神エリアでは、大手デベロッパーが地上40階建てのタワーマンションを地下鉄直結で開発中だが、その最高価格は九州で初めてとなる億ションになる予定だ。2億~3億円とも言われており、地元からの注目を集めている。

 

別の不動産大手は、福岡ヤフオクドームに隣接する大型の商業施設「MARK IS福岡ももち」が昨年秋にグランドオープンしたことで、その周辺で開発中の28階建てのタワーマンション(584戸)も1億円弱の販売住戸が計画されている。

 

地元の不動産会社によると、これらのマンション購入者の属性としては、経営者層といった地元の富裕層に加え、東京の富裕層のセカンドハウスニーズやアジア圏の個人投資家の存在感が高まっていると実感している。2019年は、資金需要が西高東低へとシフトする節目の年になるかもしれない。