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不動産レポート

五輪選手村&消費増税で新築・中古とも価格調整か!?

2019年不動産マーケット観測①

首都圏分譲マンション市場

五輪選手村&消費増税で新築・中古とも価格調整か!? 

 

日本銀行からは、企業の景況感に足踏み感を感じさせる指標が増えているものの、2019年1月には戦後最長の経済拡大期を記録しそうだ。足元の経済は緩やかな拡大基調にある。不動産マーケットも堅調に推移してきた。地価の高騰に伴いマンション用地の仕入れが難しくなるとともに、分譲マンションの価格は高止まり、新規供給が抑制気味である中でも人気の物件と中古マンションの売買は底堅い。

 

商業用不動産では、オフィスビルの空室率が2%台と満室稼働の状態。ただ、マンション市場は二極化の拡大と在庫の増加が鮮明となり、来年2019年10月には消費税率利が10%に引き上げられる。東京オリンピック・パラリンピックの開催まで約1年半後に迫る。先日、大阪万博の開催も決まった。国内では様々なイベントが控えている中で2019年の不動産市場の動向を探ってみたい。今回は、首都圏の分譲マンションに照準を合わせた。

 

■新築より中古の成約数が上回る傾向

マーケットの二極化もさらに進む

 

東京都内のマンション価格は、東京オリンピックの開催が決まってから五輪会場となる東京湾岸を中心に3割以上上昇してその高止まりが続いている。不動産情報サービスのマーキュリー(東京都新宿区)が過去10年間のマンション価格の中央値を調べたところ、東京23区は2009年に4790万円だったのが2018年に6489万円と35%も上昇した。2015年に6000万台に乗せた。新築の価格上昇に引きずられる格好で中古マンションの価格も上がった。

 

都市未来総合研究所では、中古の平均成約価格は、過去10年間で最も価格が安かった時期から2018年上期までに東京23区では1300万円高く新築との価格差は700万円あるとする。このことから中古マンションを選択する人が増えている。実際、昨年、一昨年を見ると、新築の成約件数よりも中古の成約件数が上回る逆転現象が起きており、この逆転価格の高止まりは当面続くとの見立てが少なくない。

 

不動産協会では、低い金利水準と共働きによるダブルインカムのため、販売価格が高い割に消費者が着いて来ているとの認識を示している。需要は絶妙に保っている。ただ二極化がもう少し進むと見る。デベロッパーは、採算が取れないマンション開発はしない時代となり、このトレンドが続く見通しである。

 

■東京湾岸の新築相場は坪350万円

ハルミフラッグの売り値が要因に

 

 そうした中で、2019年以降のマンション市況を読み解く上でのキーワードは2つだ。来年10月の消費税率10%への引き上げと2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村である。

 

「晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業」(HARUMI FLAG=ハルミフラッグ)として進められている東京五輪の選手村は、五輪後に分譲マンションと賃貸マンションとして供給される。分譲は2019年3月下旬に販売価格を発表し、5カ月下旬から発売する予定だ。

 

これは、三井不動産レジデンシャルや三菱地所レジデンス、住友不動産、東急不動産など不動産大手11社のジョイントプロジェクト。全5632戸のうち分譲が4145戸、賃貸1487戸となり、地上14~18階地下1階建てを中心に地上50階地下1階建てのタワーも五輪終了後に建設する。

 

晴海や豊洲といった東京湾岸の新築マンションの足もとの価格帯は、1坪当たり平均350万円に達している。個別では400万円台に乗った住戸も少なくない。ハルミフラッグの売れ行き予想も大きなトピックスだ。専有面積の中心帯は85㎡。5000万円台を多く供給する工夫をするのではとの見方や、買い手として投資目的で購入する人が存在感を出すのではとの見方もある。

 

首都圏の新規マンション供給では、2018年は3.6万戸ほどの見通しで、2019年は選手村以外でどれだけ新規供給があるかが鍵を握っている。複数のマーケット関係者は、今年と同程度と想定しているようだが、場合によっては4万戸に届くのではとの声も耳にする。

 

 

■消費増税の駆け込み需要は限定的

ローン減税拡充など政府も対策強化

 

もう一つのキーワードである消費増税により、駆け込み需要の有無も供給数を左右しそうである。だが、前回2013年の5%から8%の引き上げ時よりも駆け込み需要が出ないとの見方が多い。これは、すでに物件価格が高値であるためだ。政府も住宅ローン減税策を拡充し、現在の減税期間である10年を13年に延長したり、エコポイント制度を導入するなどの方策を講じて増税による反動減を抑え込もうと必死である。

 

購買層としては、高所得者やパワーカップル、親の援助が受けられる人に注目が集まっている。シナリオが読みづらいものの、タワーマンションや大規模マンションといった差別化できる物件でないと供給しづらい市況となりそうで、二極化の格差がさらに拡大する。

 

中古マンションは新築との連動性が高い。駆け込み需要も多少はありそうだ。すでに天井に近いものの、価格は安定的に推移する見通し。ただ、中古市場にとっても選手村の値付け次第。良くも悪くもその余波を受けそうであり、新築・中古とも来年は販売価格のリセット、つまり価格の調整局面を迎えそうである。

 

今後は、住宅ローンの金利動向にも注意を払う必要がある。いまだ低い水準ではあるものの、じわりと固定金利が上昇するかもしれない。金利上昇は、日銀が国債の買い取り額を徐々に減らしていくテーパリング(漸減)によってもたらされる可能性が高い。

 

ただし、ポスト東京五輪として、大阪万博の2025年開催が決まった。景気浮揚策としての期待が大きく、関西発のインバウンド需要が加速すると歓迎の声が相次いでいる。高齢社会・健康がキーワードになる中で、万博を契機にコンパクトシティやスマートシティの整備が動き出したり、都市の活性化も進展したりとの期待が膨らみ始めている。

 

不動産市場にとっては、関西圏への投資マネー流入が増し、実需に限らず収益不動産の価値を高めそうだ。ただ、東京五輪後に建築コストが下がるとの見方は裏切りそうで、2025年に向けて引き続き建築コストは下がりそうにない。

 

 次回は、2019年の観測として、商業用不動産マーケットと大阪を中心とした関西圏の市場を展望してみたい。