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不動産レポート



首都圏ワンルームマンション 不動産投資の定番、東京都心・23区を狙え「リセールバリューで物件選択の時代」

日本では不動産投資の定番としてワンルームマンションが定着している。単身者向けの賃貸マンションで専有面積は1戸当たり25~30㎡だ。最近は、コンパクトマンションと称して不動産大手が新規開発に参入し、30~40㎡台のタイプも開発・販売している。本格的な人口減少に突入した日本にあって、東京への人口流入は単身世帯が支えており、とりわけ都内では23区のすべての行政区において若年層の流入が続いていることに住宅・不動産業界が商機を感じ取っているためだ。今回は、そうした投資家の間で根強い人気のあるワンルームマンションの首都圏マーケットの動向を探ってみる。


ワンルームとは言え、ファミリーマンション同様に足元の販売価格は高騰している。このことから、一般的に不動産投資と言えば利回りを重視する投資判断が多かったこれまでとは少し様相が変わってきている。人口動態から需給が引き締まりやすい東京23区は、空室リスクと賃料下落のリスクが低いことから、投資経験の旺盛なベテラン投資家ほど都心部に注目し始めている。


不動産調査会社の東京カンテイで上席主任研究員を務める井出武氏は、「ベテラン投資家ほど利回り云々ではなく空室が出にくく、賃料水準と資産価格を維持しやすい都心部を買い求めている」と話す。同社の調べでは、新築価格は直近で最高を付けて3000万円に迫り、1坪当たりの単価は370万円に達する。中古価格は新築のほぼ半分の水準であるものの、坪単価は220万円を目前にするまでに上がっている。


価格が高くなり過ぎて供給戸数は、ここ数年減少に転じている。井出氏は、「首都圏の新築供給は2016年に8500戸だったが、今年は8000戸弱にとどまると予測している」と話す。


●新築ワンルーム供給は郊外化が進む


こうした価格の高騰を受けて供給立地の郊外化が進んでいる。東京カンテイでは、行政区分別と駅別にそれぞれ新築の供給量をランキングにしており、これらトップ10を見ると、2015年当たりから立地の郊外化が顕著に出ていることがわかる。駅別では15年・16年の連続で川崎駅がトップで、それぞれ588戸と441戸の供給があった。2016年は2位に京急川崎駅(304戸)、4位に武蔵小杉駅(185戸)がランクインし、前年上位にいた東京勢を追い払った形となった。


東京23区でも新築供給が都心部から徐々に外に広がる傾向が鮮明だ。15年を見ると、亀戸駅(2位=402戸)や錦糸町駅(3位=282戸)、門前仲町駅(4位=門前仲町)、北千住(6位=215戸)、清澄白河(8位=202戸)など城東・城北エリアでの供給が目立ち既に都心部から外れ始めていたが、16年を見ると、外に向かう力がさらに強まり、純粋に東京立地と言えるのが白金高輪駅(3位=254戸)にとどまった。川崎や埼玉、多摩など都心部からさらに遠ざかった場所での供給が増えている。


行政区別で見ても明らかだ。2015年のトップ10を見ると、川崎市川崎区が8位(440戸)に入っているものの、残りはすべて東京23区が占めていた。これに対し、16年になると、トップ3に東京は板橋区(477戸)が入ったものの、川崎市川崎区(723戸)と川崎市中区(366戸)がランクインしている。15年に1190戸の供給で行政区別トップの江東区は16年に257戸と10位に転落している。東京スカイツリーで全国屈指の観光地となった墨田区も16年は309戸(7位)と前年の4位(743戸)から供給量を減らした。


つまり、地価高騰と建築費用の上昇などで東京の都心・23区に供給できない実態が浮き彫りとなっている。

 

首都圏ワンルームマンション    不動産投資の定番、東京都心・23区を狙え「リセールバリューで物件選択の時代」


●都市部は適正賃料の確保と空室リスク低く人気


では、記事の冒頭でも触れたが、こうした市況にもかかわらず、なぜベテラン投資家は都心回帰を目指すのか?これは月々のオーナーの収入となる賃料と空室リスクを重視していることがキーポイントとなっている。都市部から離れた物件は表面利回り的には魅力的に見えるが、収入の絶対額である家賃は都心・23区より安い。


前出の井出氏は、「投資経験の豊富な人ほど、足元の新規供給が郊外化しているマーケットの現状をよく知っているし、郊外化することのデメリットも十分承知の上で、都心部・23区で購入しているのが実感だ」と強調する。表面利回りに加えて、築年が経過することで増大する空室リスクと賃料の下落圧力に照準を当てると、物件価格が高止まりする中であっても都心回帰が安全な投資物件だと判断しているという。


また現状では、販売価格を低く抑えるために郊外化を進めていることに加え、1戸当たりの専有面積を狭くすることでも対応している。しかし、専有面積が小さくなれば比例して、その分賃料も下がる。特に築年数が経過するほど面積の狭小化が賃料下落の影響が大きくなるのは必至だ。


●投資適格性は東京都心8区が最強


中古ワンルームの流通事例数は毎年伸びている。こうした中古を購時する際に築10年や築5年であればいいが、築20年を超えたケースでは、10~20年の運用後には築年数が30年・40年とかなりの築古になってしまうため、売却できるのかを心配する投資家が増えている。築年数が経過すれば、賃料が下がったり、入居者が決まらない事態は十分に想定できる。郊外化と面積の狭小化を進めている現在の供給物件ほど築古になれば賃料下落リスクにさらされている。専有面積の狭小化と家賃は比例するからだ。


都心回帰派の投資家に言わせれば、「そうしたリスクを踏まえ資産の付け替え、資産の買い換えニーズはどこかで発生するはずで、売却時に流通ルートに乗りやすいのは都市部だ」と口をそろえ、都市中心部の中古を求めている。


将来の売却時の価格がいくらになるか。このリセールバリューが重要になる。東京カンテイでは、「千代田、中央、港、新宿、渋谷、文京、目黒、品川の8区が投資適格エリアとして最強ではないか。資産価格をある程度維持できて、賃料水準は他の地域を圧倒して高い水準にある」と分析する。新築と中古の利回りの差も2%台前半まで狭まっているともいい、利回りで新築と中古を判断しづらくなってきた。投資方法として、出口戦略(将来の売却時期)を設定した上で、収支計算と物件の減損価格を考慮しながら新築か中古かを判断して資金を投じてはどうだろうか。