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不動産レポート

近畿圏の不動産市場 訪日客増加と職住近接の開発が投資家引き付ける:大阪市、京都市の中古騰落率は高水準

2019年10月に消費税率10%への引き上げを控えていることで、分譲マンション市場は、今年後半からじわりと駆け込み需要が発生するとの見方が広がっている。これは、オリンピック開催とは違い、地域性に関係なく全国にその影響が波及する可能性が少なくない。そうした中、東京に次ぐ第二都市である大阪を抱える近畿圏の不動産マーケットを追ってみた。

 

●大阪市内のマンション化率拡大 価格調整局面も契約率は堅調推移

 

不動産経済研究所がまとめた2017年の分譲マンション供給戸数を見ると、近畿圏は、前年よりも4.7%増えて1万9560戸の供給があり、初月契約率も前年を4.2ポイント上回る76.2%と好調だった。首都圏は3万5898戸で前年実績を上回ったとは言え126戸(0.4%)の増加にとどまり、初月契約率が68.1%だったことと合わせて比べると、分譲マンション市場は近畿圏の好調が目立つ。

 

ただ、価格を見ると、首都圏は1戸当たりの平均価格が5989万円(前年比7.6%上昇)と1990年バブル期の6123万円以来の高値となっが、近畿圏では、1戸当たりの平均価格が3836万円で前年に比べて83万円下回り5年ぶりに下げた。首都圏に比べて価格上昇に一服感が出たことが近畿圏の販売好調を支えている。

 

その近畿圏のマンション普及率は徐々に拡大している。東京カンテイが全国の分譲マンション普及率を調べたところ、2017年の大阪市中央区は70.89%と初めて70%台となった。行政区別で東京・千代田区、中央区、港区に続く4位のランクインである。行政区別のマンション普及率トップ10には、大阪市中央区のほかに大阪市北区(58.62%)、大阪市西区(56.52%)、神戸市中央区(55.76%)と計4つが入っている。

 

また、近畿圏トレンドの変化として高額物件のシェアがわずかだが縮小しており、東京カンテイは、5000万円以上のシェアは2016年の21.1%から昨年は20.6%に縮まったという。

 

マンションの普及が進むことは、中古ストックも積み上がっていく。その中古マンションの資産価値(価格)の騰落率について、マンション情報サイト「住まいサーフィン」を運営するスタイルアクト(東京都中央区)が2月1日に行政区別に調べて発表している。

 

2016年7月から2017年6月に売り出された中古マンションデータを使い、新築時と中古の売り出し価格を住戸単位で比較して中古騰落率を算出したところ、関西圏で中古騰落率が最も高いのは京都府で、大阪府と兵庫県が続いた。つまり、この辺りのマンションの資産価格は落ちにくく、場合によっては新築発売時よりも高く売れるということだ。


トップの京都府の中古騰落率が特に高く、騰落率は中京区が32.6%と断トツにあり、東山区(16.7%)と下京区(15.5%)が続いた。立地の希少性から全国トップクラスで資産価値が上がっている。


大阪府では、大阪市北区と福島区、西区、天王寺区、中央区の騰落率が高い。大阪のキタ・ミナミの周辺は特に資産価値が保たれやすいとした。兵庫県では、三宮周辺や大阪へのアクセスが良い地域は中古騰落率が高くなっている。


京都府内は、価格上昇トレンドが続くとともに、マンション普及率も都道府県ベースで見ると、7年連続トップだった東京都を押さえて京都府が0.21ポイント上昇して最も普及率が拡大している。

 

近畿圏の不動産市場

 

●富裕層や学生集積地に資金流入 品不足感強いが東京より高利回り

 

東京圏の不動産価格の急騰に伴い東京の受け皿としての不動産投資マネーが近畿圏に流入している。投資家を引き付ける要素としては、訪日客の増加とオフィスビル開発が相次いだことで職住近接を望む単身者が増えたり、また、2023年には地下鉄「北梅田駅」が開通すると関西空港までダイレクトにつながるなどがある。


特に大阪市と京都市に旺盛な投資マネーが向かい資産価値を引き上げている。両市を俯瞰すると、大阪市内については、街を一変させたのが大阪駅北ヤード跡地の再開発事業で誕生した「グランフロント大阪」(地上38階地下3階)である。梅田エリアへの注目度を一気に高めた。大阪エリアの投資家向け物件は、区分マンションが主流となり、淀川沿いには実需向けの分譲マンションも立ち並んでいる。梅田駅周辺で築浅のマンションが新築時よりも高く売れたりする。

 

品不足の一棟マンションは、市場に出るとすぐに投資家が買い付けるため区分マンションが人気。複数の投資家によると、「一棟マンションの利回りは、4%台後半と低下傾向にあるものの、東京に比べると1.5%ほどの高利回りで運用できる」と話す。


グランフロント誕生の翌2014年3月には阿倍野地区で全面開業となった「あべのハルカス」は地上300mと日本で最も高い複合ビルができ、商業施設で賑わいがアップし、高級住宅街が集まっているのも特徴だ。

 

大阪市内では、年収が比較的高い層から人気があるのは住吉区である。住吉大社や大阪市立大学があるほか、阿倍野区に近い帝塚山は高級住宅街として知られマンションが多い。

 

天王寺区は、東京の高田馬場のようなイメージの学生街の顔を持つとともに阿倍野地区に並ぶ商業地域として発展してきた。外国人の居住比率が高いのが生野区でコリアンタウンが形成され、外国人の居住比率は大阪市内全体の2割以上を占めている。


京都市は、下鴨神社が近い京都府立大学周辺か高級住宅街で、最寄り駅の地下鉄烏丸線の北山駅と北大路駅の周辺にはモダンな雰囲気の街並みが広がり、不動産取引も土地だけで一坪当たり200万円弱で売買されるなど、「これ以上の利回り低下はない」と地元の不動産会社が口をそろえるほどに不動産価格が上がっているのが特徴だ。


ただ、そうした中で穴場的なスポットとして京都駅の南側がじわりと投資家の間で着目されている。九条地区を中心に治安面の悪さで人気がないものの、他地域の開発の波に乗れていないことを受けて徐々に負のイメージを払拭できる街の整備が進めば資産価値の上昇が進むとの見方である。

 

兵庫県では、阪急神戸線と阪急今津線が交わる西宮北口駅の当たりが人気だ。阪急線ブランドの強さが群を抜くエリアであり、住みたい街ランキングでも人気だ。今年秋に再開発事業の「西宮北口阪急ビル(仮称)」の開業を控えている。甲南大学や神戸女学院、関西学院大学などが集積するほか、西宮北口駅から北に2駅の甲東園駅の周辺に高級住宅が広がり富裕層向けの投資が活発になっている。


近畿圏の不動産市場にも資産価値を重視した物件の取引が多く見られるようになってきた。ちなみに人口が増えていると最近注目される滋賀県は、大阪・京都・神戸まで1時間程度の交通アクセスが見直されて通勤圏として滋賀・彦根市などの取引が好調だ。