実績豊富!東京5区エリアの不動産売買 信義房屋不動産(しんぎふさやふどうさん)

不動産レポート

不動産価格の高止まり投資妙味薄れる?

戦後最長の景気拡大の先も強気姿勢か

「金融庁の不動産向け融資審査の動向は要注意」

 

不動産価格が高止まっている。経済環境の改善と大規模な金融緩和が長く続いてあふれ出た資金が不動産に流入し続けているからだ。特に大都市圏に投資マネーが流入。こうした現状で不動産を購入することは、一般的に高値掴みで投資妙味が少ないと考えるものだが、今回の不動産マーケットを見ると買い手側の強気の姿勢が続いている。

 

米不動産サービス大手のジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)は、低金利が続く日本ではインカムゲイン(賃料収入)を重視する投資家にとって魅力的なマーケット環境が続くとして引き続き日本の不動産投資市場は拡大すると予測している。対日投資額は、2018年通年の見通しとして4.3兆~4.5兆円と前年に比べて最大1割アップを見込んでいる。

 

今年は、芝パークビルや新日石ビルヂングなど500億~1500億円で取引された大型売買がけん引しており、通称・軍艦ビルと呼ばれて外資勢の間で頻繁に取り引きされる芝パークビルは、アジア系SPCが関電不動産開発などのSPCに売却された。

 

こうした商業用不動産の取引に加えて、住宅価格の上昇も顕著である。東京カンテイの調査によると、首都圏の中古マンション価格は7月に3634万円と5月に記録した年初来の最高値を上回った。東京都平均は4879万円と5000万円台を窺い、東京23区は5376万円と3月以降5300万円台後半の価格水準にとどまり続けている。都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)の平均価格は7545万円と再び上昇に転じた。

 

この価格の強含みは、近畿圏にも波及しており、近畿平均は2月以降から上昇傾向が続いて大阪府では1998年以来の2400万円台を回復した。大阪市では、5月に記録した直近の最高値を更新し3028万円となった。大阪市中心6区(福島・西・天王寺・浪速・北・中央)は3970万円と4000万円台の大台が迫っている。

 

政府は、新築住宅から中古住宅の流通活性に力を入れており、国土交通省の2019年度の概算要求を見ると、既存住宅流通・リフォーム市場の活性に関して71億円と前年に比べて35%も増加いる。国交省の税制改正要望においても買取再販の特例措置・拡充(不動産取得税)や空き家発生を抑制する特例措置の拡充・延長(所得税等)を求めているなど中古住宅の流通を後押しする政策にアクセルを踏み込んでいる姿勢に変わりはない。

 

 

■東京城東エリアに不動産各社が続々参入

江東区は住吉~豊洲の地下鉄延伸で注目

 

民主党政権が倒れ自民党・安倍政権が誕生し、アベノミクスと呼ばれる経済政策、2020年東京オリンピックの開催が決まって徐々に企業業績が回復した。日銀の量的金融緩和とマイナス金利がけん引している。もはやリーマン・ショックの後遺症はない。史上最低の金利水準というおカネが借りやすい状況が続いていることが大きい。とりわけ低金利の恩恵があるうちに分譲マンションや賃貸マンションの開発を急ぐ会社や投資家も少なくない。

 

しかし、昔から人気の高い東京城南・城西エリアは不動産価格が上がり切った。世田谷区の新築マンションの1坪当たりの価格は350万円に達する。この高騰感により、用地仕入れがしづらくなった。

 

こうした中で、東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場を抱える江東区にもうひとつ区の活性につながるニュースが飛び込んできた。江東区内の住吉駅――。東京都が6月29日に東京メトロ有楽町線の延伸事業「豊洲~住吉間」(8号線)ついて2018年度内に事業の枠組みを決めることを表明したことで急速に注目を浴びている。住吉駅(半蔵門線・都営地下鉄線)と東陽町駅(東西線)の間に新駅を作り、東陽町と豊洲駅(有楽町線)の間に新駅をつくる路線延長約5.2㎞の構想である。

 

その住吉駅周辺の徒歩10分圏内は既にマンションの開発ラッシュだ。地下鉄の延伸事業前からの動きで今回の地下鉄の延伸事業を反映したものではなく、立地が見直されたためだ。大手町・丸の内の東京都心部に電車に10分という都心部へのアクセスの良さにもかかわらず、東京の城南・城西エリアに比べて地下が割安に放置されていたことに開発各社が目を付けたからだと言える。今回の延伸事業の現実味が増したことで同駅周辺の価値が今後高まるとの見方に地元が期待する。坪単価300万円に迫る新築マンションは少なくない。

 

駅徒歩3~4分の場所では、大成有楽不動産が分譲マンション「オーベル住吉マスターテラス」(総戸数70戸)を開発中で来年12月上旬に竣工する。中堅デベロッパーのモリモトは、築古の戸建て住宅のあった場所に賃貸マンションを開発する。名鉄不動産は、徒歩7分の場所に創業60周年事業の一つとして、分譲マンション「メイツ深川住吉」(444戸)の建設を進めており、2020年3月中旬に完成する予定だ。地上15階建て延べ床面積は4万601㎡の大規模マンション。敷地内には3階建ての共用棟を併設し、ミーティングやゲスト対応、キッズ、パティ―に使えるスペースを配置するほか、TSUTAYAとのコラボレーションによって約1万冊を蔵書するライブラリーを設ける計画だ。

 

この住吉エリアにかぎらず、再開発など地域活性に伴うトピックスがあるエリアには投資家が集まり、物件価格が高くても将来的な資産価値が維持されたり、資産価値が上がる可能性があることで着目される。

 

 

■マクロ観点ではなくミクロで判断

不動産の買いは地域特性で決める

 

ある投資家は価格が高止まっていてもあまり気にしない。「物件を買う時期については、マクロ的な視点ではなく、個々の不動産が持つ魅力やその地域の情報などを整理するミクロ的な観点から判断するべきだ。売り買いは個人対個人であって、いつもマーケットでも売りたい人と買いたい人はいるものだ」といい、不動産のマクロ指標に固執しすぎるといつまで経っても不動産を手に入れることはできないと指摘する。投資家の目線は人口の流出入である人口動態をチェックするとともに、その地域の行政サービスや商業施設の充実度を把握する。

 

ただ、じわり懸念材料も出でている。金融庁が全国の地方銀行を対象に不動産向け融資の総額や審査体制などを調査する検討を始めたと9月4日に報じられた。スルガ銀行でシェアハウス投資を巡る不適切な融資が発覚したことに対応するもので、他の地方銀行の実態を把握するのが目的だ。いわゆる事業性が見込めない場所にサブリースという武器を持って盛んに供給を進めた無理がいま火を噴いている状況に対処する。

 

金融庁の地銀調査は実需ではない投資向けのアパートローンを中心にチェックするものと見られ、これから収益不動産に対する融資姿勢が今後さらに引き締められるのは確実で、そこをきっかけに収益不動産の価格の値崩れが始まる可能性が高まってきた。

 

とはいえ、その影響が実需向けの融資に波及してローン貸し渋りによる不動産全体の価格が下落に向かうとの見方は少ない。ロンドンやシドニーなどのように五輪後も不動産価格は高い水準で推移するとの背景には、大阪万博やリニア新幹線の開通、東京では人口流入が当面続く。直近では戦後最長の景気拡大が視野にある。