実績豊富!東京5区エリアの不動産売買 信義房屋不動産(しんぎふさやふどうさん)

不動産レポート

2018上半期 首都圏不動産、都心部のマンション価格に上値追う気配、 東京への投資マネー流入に陰りなし、商業ビル市況は懸念後退。

日本の不動産市況を見ると、国土交通省が3月に発表した公示地価の上昇が物件の販売価格・取引価格の高騰化を裏付けた。分譲マンション市場は、首都圏を見ると、新築・中古の販売に生彩さを欠き始めている印象を受け、特に新築マンション供給は抑制気味の状態が続いている。オフィスビルなど商業用不動産は、東京五輪に向けて都内は開発ラッシュである。2018年も6月を迎えて半年が経過しようとしている中で、これまでの首都圏の不動産マーケットを振り返えるとともに後半戦を展望してみる。

 


■分譲/新築販売伸びなくとも価格高止まり
投資需要で中古も億ションなど高額帯が好調


まずは新築マンションの状況である。首都圏を中心に不動産大手の寡占化が加速している。三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産のシェア拡大が続き、特に住友不動産は、2017年まで4年連続で新規供給戸数トップの座にある。不動産経済研究所の発表によると、2017年首都圏の新規供給トップ5は、住友不動産の5663戸に野村不動産(3898戸)、三井不動産レジデンシャル(3236戸)、三菱地所レジデンス(2380戸)が続いた。住友不動産は2位の野村不動産に1756戸の差を付けて独走態勢気味だ。全国ベースの供給戸数でも住友不動産(7177戸)が4年続けて1位となった。


ただ、マンション販売状況は振るわない。同研究所が5月21日に発表した直近のデータを見てもわかる。首都圏の新築マンションの4月の発売件数は2342 戸と1年前の同じ時期に比べて14.6%減っており、初月契約率は 63.0%(同 3.3ポイント下落)と売れ行き好調の目安とされる70%を2カ月ぶりに割り込んだ。


新築販売数が伸びなくても販売価格の高止まりは続く見通し。都心部を中心にタワー型や大規模など人気物件の販売が好調に推移する一方で、郊外物件は立地面の競争力が相対的に劣る物件の販売は苦戦する二極化の状況が続くとの見立てが一般的である。販売力の回復は、首都圏全体に波及するとの見方は少ない。4月末時点の販売在庫(6443戸)は気持ち減少したが、そもそも新規供給が伸びていないためで販売が好調で在庫が減っているわけではないのが実態のようだ。


実際、「供給戸数が総体的に少ないのは企画設定した商品に見合う土地が少ないのが要因であるものの、東京都心とその周辺のマンションの売れ行きは堅調に推移している。しかし、郊外は所得と価格とのひっ迫が限界に近い。建築費の高騰もあって値段も相当に高くなって売れ行きは都心部と差が出ている」(不動産協会・菰田正信理事長)との業界の声が報道からも漏れ伝わっている。


好調な都心部について、不動産大手は、投資家層を巻き込んだ実需にとどまらない購買層が支えて価格に上昇余地を残していると分析する。この投資家層の購買意欲は底堅い。


中古マンション市場でも投資家層の動きを実感する。4月にスタートダッシュを切れなかった不動産仲介事業者も含めて、「アジアなどの海外勢の買い意欲も再び売買マーケットに戻ってきている」や「昨年12月からアジア系の取引が活発になっている」との声を拾うことが多くなっている。


その中古マンションをデータで追って見ると、東日本不動産流通機構では、首都圏中古マンションの4月の成約件数が3237 件(前年同月比2.3%増)と2カ月連続でプラスとなった。1㎡当たりの単価も64カ月連続で上昇した。新規の登録件数は1万7704 件と8カ月連続で増えて、在庫数(4万5746 件)も35カ月連続で増加した。新築の供給が少ないことと、新築の販売価格が一般サラリーマンの手が出る水域を超えていることもあって中古マンション販売は堅調に推移している。


ただ、売り主の価格目線に買い主の目線が追いついていない。高く売り抜けられると踏んだ売却ニーズの増加が在庫を積み上げている格好となっている。


今後の中古マンションの価格動向は強含み状態が継続する。東京カンテイによると、東京23区は5372万円、都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)が7000万円台半ばの高水準にある。そろそろ天井を打つかとの観測も、「中古マンション価格は都心部でいまだに上昇気配を見せている。とりわけ千代田区・港区・渋谷区の3区が強含みだ」とさらに上値を追う気配に驚きを隠さない。同社では、これから詳細に調べる必要があるものの中古でありながら平均価格で8000万円台に届く可能性も指摘する。「特に中古マンションは、売買価格が億円になる高額物件が好調だ」と仲介大手も口をそろえる。


後半戦も新築・中古マンションともに引き続きマンションの販売価格は高い水準が続く。総務省の統計で世帯年収に大きな変化が見受けられない中で、新築販売と中古取引を伸ばすには、購入層の主力である一般サラリーマンの給与水準、つまり賃金の上昇が欠かせない。

 


■商業用ビル/需要予想以上に強く
新規供給増も賃料水準じわじわ上昇へ


昨年から年明けにかけて商業用不動産市場には懸念があった。オフィスビル市況につい
て、2018年と2020年にビルの新規供給が増えるとともに空室率が上昇して賃料が下落に転じ始めるとの見方があったためだ。しかし、ふたを開けてみると、好調な企業業績によって予想以上に強い需要が確認できている。新規ビルのテナントは順調に決まり、賃料の上昇もあって今後の供給増加に対する懸念は後退した感が強い。


各調査会社が発表するデータを見ても空室率は低く、三鬼商事によると、4月の東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)の空室率は2.65%と2008年1月以来の低い水準として実質の満室稼働になっている。平均賃料は52カ月連続で上昇し、1坪当たり賃料は2万円弱の水準となっている。


住友不動産の新規ビルの入居状況は好調だ。5月に竣工した地上22階建てのオフィスビル「住友不動産御成門タワー」は満室稼働での始動となった。松下興産と松下電器産業(現パナソニック)の東京本社があった場所に、買収した隣地を含めて建て替えたもので延べ1万坪。三井住友信託銀行の資産管理部門がメインテナントとして入居する。1坪当たりの賃料は平均3万円弱。住友不動産からは、「もう少し強気の値付けで臨んでもよかったのでは…」との声が聞こえてくるほか、全体的に既存ビルの賃上げも実現できて来期以降の引き合いも強い。今年から再来年にかけて竣工する新築ビルはテナントが8割ほど決まっている。


商業不動産に対する投資マネーも継続的に流入する。不動産サービスのJLL(ジョーンズ・ラング・ラサール)が2018年1~3月の世界の商業用不動産投資額をまとめたところ、都市別に投資額の流入を見ると最も多かったのが東京だった。91億ドルが流入。ニューヨーク(90億ドル)とロンドン(59億ドル)を抑えて2014年1~3月期以来の投資額1位を記録した。好調な企業業績や人材不足などを背景にオフィス需要が高まり、オフィス投資が全体の8割超を占めた。Jリートの活動も活発で22億ドルを超える取引があった。


アジア太平洋地域には400億ドルが流入し、同じ時期の投資額としては最高額を記録した。日本国内投資家による投資が活発だったことに加え、オーストラリアや香港での投資活動がけん引した。そうした中で首都圏でも、足元の企業業績の堅調さを受けての増床ニーズが活発になっており、2020年のオリンビックを前に投資マネー流入に陰りはない。